児玉研究室@東北大天文教室
Kodama Labo @ Tohoku University

 
HSC-HSC: Hybrid Search for Clusters with HSC
 


すばるの新しい超広視野主焦点カメラHyper Suprime-Camによる、すばる戦略枠観測プログラム(HSC SSP)のデーターを用い、0.4<z<1.7にある遠方銀河団を系統的に探査するプロジェクト。ハイブリッドの名の通り、赤い銀河(古い銀河)と輝線銀河(星形成中の銀河)の異なる種族の銀河を探す二つの手法を組み合わせたユニークな探査。様々な進化段階の銀河団を極力バイアス無く選出することができるのが大きな特長である。
 このHSC-HSCで見つかった大量の銀河団候補を、現在製作中のすばるの超広視野主焦点分光器PFS (Prime Focus Spectrograph) を用いて大々的な分光フォローアップ観測を計画している (PFS-PFS; Panoramic Follow-up Spectroscopy with PFS) 。
 

 

ハイブリッドな銀河団探査方法の概念図。左が伝統的な、銀河の色を使って、赤くて古い銀河の集団を探す方法で、右が狭帯域フィルターを用いて、輝線を出す星形成銀河の集団を探す方法である。下表にあるように、それぞれのフィルターと輝線に対応して、特定の赤方偏移の星形成銀河を捕まえることができる。

 

HSC-HSCによって見つかったz=1.2(85億年前の宇宙)にある銀河団の例。赤くて古い銀河と若い星形成銀河の両方が密度超過している。

 
 

HSC-HSCによって見つかったz=0.84(70億年前の宇宙)にある銀河団候補の例。赤くて古い銀河がほとんど見られず、輝線を出す星形成銀河だけで密度超過が見られる、若い銀河団の可能性がある。

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